8月23日から、☉太陽は乙女座へ入っています。
各星座には、ルーラーと言われるそのサイン(星座)を支配する天体が存在します。
獅子座のルーラーは☉太陽でした。
☉太陽の象意は自分自身や自己表現。
そこに向き合わされてきた一ヵ月だったと思います。
乙女座のルーラーですが、これは諸説ありまして、多くの場合は☿水星になっていると思いますが、
乙女座のルーラーはキロンであるという説もあります。
キロンの象意は癒すべき傷、乗り越えるべき壁です。
< 乙女座ルーラーキロン説考察 >
星座は、神話と深い関係性があります。
[ 乙女座の神話(簡略化) ]
豊穣の女神メデテルにはペルセフォネという娘がいました。
冥界の王、ハデスはペルセフォネを妻にしたいと考えますが、メデテルは娘を冥界に嫁に出したくはありません。
メデテルの同意を得られなかったハデスは、ペルセフォネを冥界へさらってしまいます。
豊穣の女神であるメデテルが悲しみに暮れたことにより、地上の草木は枯れ果て、作物は育たず、
やがて人々は飢えに苦しみます。
この様子を見ていたゼウス(最高神)はハデスにペルセフォネをかえすよう説得し、
ペルセフォネは地上へ戻りますが、ハデスはペルセフォネに冥界のザクロの実を与えていました。
この実を口にしたペルセフォネは、ずっと地上にいることが出来ず、
1年の内4ヵ月は冥界へ行かなければなりません。
この4ヵ月間が、作物の育たない冬の期間になり、メデテルがペルセフォネと再会すると春が訪れ、
こうして四季が生まれました。
一見するとハデスが悪者に見えますが、ハデスにも事情があってさらったようで、
ペルセフォネには優しくしていたとも言われています。
メデテルは嘆き悲しみ傷を負いましたが、ペルセフォネに会える時があること、
ハデスの元でも娘が不幸でないことを知り、その傷は癒えています。
この神話の物語のように、傷を癒すこと、困難の壁を乗り越えることはキロンの象意と合致します。
占星術の起源は紀元前まで遡ります。
キロンの発見は、ほんの40年程前の話ですから、古代の占星術では☿水星と結び付けられていたのでしょう。
ペルセフォネの帰還が、メデテルによる豊穣をもたらす様に、
キロンの傷を乗り越えることは、才能の発揮を意味します。
このキロンを克服していくためには、知恵や知識、思考能力が必要になります。
☿水星の象意には知恵や知識、思考、才能も含まれますから、
乙女座のルーラーが☿水星であるということを、完全に間違いであるとは思いません。
しかし、キロンの方が適切であるように感じています。
わたしの結論としては、乙女座のルーラーはキロン(☿水星)です。
現在、蠍座、水瓶座、魚座のルーラーはトランスサタニアン(♅天王星、♆海王星、♇冥王星)となっていますが、
これらの天体が発見される以前は、()内の天体が当て嵌められていました。
蠍座→♇冥王星(♂火星)
水瓶座→♅天王星(♄土星)
魚座→♆海王星(♃木星)
そして現在、()内の天体はサブルーラーとなっています。
もう少し時が経てば、
乙女座のルーラーはキロン、サブルーラー水星という考え方が主流になっていくのかもしれません。
乙女座のルーラーがキロンであるとすると、
現在、キロンの象意である癒すべき傷、乗り越えるべき壁に向き合わされているという事になります。
もし今、何か上手くいかないと感じたり、向き合っていることがあるとしたら、
それはキロンによるものかもしれません。
このキロンを克服することは自身の才能を最大限発揮する為に必要な経験です。
それは、次の天秤座のルーラーである金星の象意、遊びや楽しみに繋がります。
これは、壁の向こうに自分でもまだ知らない自分の才能があること、
苦手だと思っていることが才能になり得ることを意味します。
人間は集合意識を共有しています。
神話の物語も、人々の集合意識に深く刻まれていると聞いたことがあります。
秋の冷たい空気に、感傷的になったり、切なくなったり、人恋しくなったりするのは、
冬にペルセフォネを冥界へ送らなければいけないメデテルの寂しさが意識化したもの、なのかもしれません。
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